「車を持っていないけど、洛陽三十三所を巡ってみたい」——そんな方に向けて、京都市バス・地下鉄だけで効率よく回るためのモデルコースをまとめました。
なぜ洛陽三十三所は公共交通だけで回りきれるのか
京都市内に収まるコンパクトさという強み
前回の記事で紹介した通り、洛陽三十三所は京都市内だけで完結する巡礼です。西国三十三所のように県をまたいで移動する必要がなく、市バス・地下鉄という日常の交通網だけで全札所にアクセスできます。
西国三十三所との移動負担の違い
西国三十三所では車移動が前提になる札所も少なくありませんが、洛陽三十三所の札所は基本的にバス停や駅から徒歩圏内にあります。「巡礼のために運転免許や車を用意する必要がない」というのは、この巡礼ならではの大きなメリットです。
使うべき交通チケット
地下鉄・バス一日券の価格と購入場所
洛陽三十三所巡りで一番使い勝手が良いのが「地下鉄・バス1日券」です。
- 価格:大人1,100円/小児550円
- 利用範囲:京都市営地下鉄・市バス全線、京都バス・京阪バス・JRバス(いずれも一部路線を除く)が1日乗り放題
- 購入場所:地下鉄各駅窓口、市バス・地下鉄案内所、定期券発売所、一部コンビニなど
1回の運賃が230円前後(市バス均一区間の場合)なので、1日に5回以上乗るなら確実に元が取れます。巡礼は1日に何度も乗り降りすることになるため、基本的にこの1日券を軸に計画するのがおすすめです。
どのエリアまでカバーできるか
市バス・地下鉄だけでほぼ全ての札所エリアをカバーできますが、一部の郊外寄りの札所は路線バスの本数が少ない場合があります。事前にルート検索アプリで所要時間を確認しておくと安心です。
エリア別モデルコース
洛中コース(六角堂・寺町エリア)
第1番・六角堂(頂法寺)を起点に、誓願寺、革堂(行願寺)、廬山寺など、地下鉄烏丸線・京都市役所前駅周辺に集まる札所を徒歩中心で回るコース。移動距離が短く、初日の足慣らしに向いています。
東山コース(清水寺・六波羅蜜寺・今熊野観音寺)
洛陽三十三所の中でも見どころが集中するのが東山エリア。清水寺だけで5つの札所(第10〜14番)があるため、このエリアだけで一気に5箇所を満願できるのが最大の魅力です。あわせて六波羅蜜寺、三十三間堂、今熊野観音寺、泉涌寺まで足を延ばせば、1日で大きく数を稼げます。
洛北コース(金戒光明寺周辺)
金戒光明寺、真如堂(真正極楽寺)など、銀閣寺・哲学の道に近いエリア。観光特急バスや市バスを組み合わせてアクセスします。
洛西・その他コース
東寺、壬生寺中院、福勝寺など、市内西側に点在する札所をまとめて回るコース。地下鉄とバスの乗り継ぎが中心になります。
1日で回れる目安箇所数
効率重視ルート(移動時間を最小化)
東山コースのように札所が密集するエリアを選べば、1日で7〜8箇所を回ることも可能です(清水寺の5堂+周辺2〜3箇所)。
観光も楽しみたい人向けの余裕あるルート
写真を撮ったり、境内をゆっくり見て回りたい場合は、1日3〜4箇所を目安にすると余裕を持って巡れます。
バス移動で気をつけたいポイント
渋滞しやすい時間帯・エリア
京都市交通局によると、市バスの混雑が特に集中するのは春・秋の観光シーズンです。東山エリア(祇園、清水道、五条坂、東山安井など)は特に混雑しやすく、リアルタイム混雑情報が試験的に発信されているほどです。
比較的空いている時間帯は、13〜15時、9時まで、18時以降とされています。東山エリアの巡礼は、朝一番か午後の早い時間帯を狙うのがおすすめです。
本数が少ない路線の注意点
郊外の札所に向かう路線は本数が少ないことがあるため、事前に時刻表を確認し、バスを逃した場合のリカバリープラン(次の便の待ち時間、地下鉄への乗り換えなど)も考えておくと安心です。
乗り換えが発生しやすい区間
洛北〜洛西間の移動など、エリアをまたぐ場合はバス→地下鉄の乗り換えが発生しやすくなります。「観光特急バス」(京都駅⇔五条坂⇔祇園⇔岡崎公園・平安神宮前⇔銀閣寺前)を使うと、東山エリア内の移動がスムーズです。
まとめ:当日の持ち物チェックリスト
- 地下鉄・バス1日券(当日現地購入でOK)
- 納経帳(御朱印帳)
- 初穂料用の小銭
- 歩きやすい靴(坂・石段のある札所が多いため)
- モバイルバッテリー(ルート検索で消耗しやすい)
公共交通だけでも、計画次第で洛陽三十三所は十分に巡りきれます。次回は、1日で5箇所を制覇できる「清水寺境内だけで回れる札所ガイド」を詳しく紹介します。


