西国三十三所は和歌山から岐阜まで、総距離約1,000kmある。最初に地図で全札所を並べたとき、正直「これ全部回るのか」と面食らう。
由来はけっこう眉唾
徳道上人が死にかけて閻魔大王に会い、三十三の観音霊場を作れと言われた、という話が起源とされている。約270年後、花山法皇が再興したとも言われる。ただし公式サイト自体、この話は史実ではなく11世紀ごろの創作らしいと書いている。由来からしてふわっとしているのが、逆に面白い。
本尊に会えない札所がある
葛井寺は毎月18日しか本堂の秘仏が開かない。興福寺南円堂は年1回、10月17日だけ。うっかり別の日に行くと、本尊には会えないまま御朱印だけもらって帰ることになる。行く前にカレンダーを確認したほうがいい。
竹生島は船必須
第30番の宝厳寺は琵琶湖に浮かぶ竹生島にある。長浜・彦根・今津のどこから乗っても船で25〜40分。橋はないので、車で行こうとしても無駄である。
京都の5箇所は洛陽三十三所と丸かぶり
今熊野観音寺、清水寺、六波羅蜜寺、六角堂、革堂の5箇所は、西国三十三所と洛陽三十三所の両方の札所になっている。洛陽三十三所自体、西国を回りきれない京都の人向けに作られたものなので当然といえば当然だが、この5箇所だけ回れば2つの巡礼が同時に進む。これは単純にお得。
施福寺と岩間寺はしんどい
施福寺はバスを降りてから徒歩30分、岩間寺は徒歩50分。どちらも山道で、正直ちょっとした登山に近い。観音巡りというより体力測定だった。
最後は岐阜の山の中
33番目の華厳寺は岐阜県揖斐川町、和歌山から始まった巡礼がなぜか山あいの町で終わる。特に感動的な仕掛けがあるわけではなく、ただ普通にそこにお寺がある。それだけと言えばそれだけ。ただ、それまでの32箇所を歩いてきたかどうかで、この「ただのお寺」の見え方はたぶん変わる。

